前回の記事では「HSK7-9級」の概要についてご紹介しました。
今回の記事では実際に試験を受けてみての感想、試験の詳細をご紹介します。
試験内容
引用元:https://mp.weixin.qq.com/s/ljjE9Fe-ZlG3xbv5vIKLWg
HSK7-9級ではリスニング、リーディング、ライティング、翻訳、スピーキングの5つの能力を測ります。試験時間は210分と長丁場です。
試験時間
引用元:https://mp.weixin.qq.com/s/ljjE9Fe-ZlG3xbv5vIKLWg
試験時間3時間半、拘束時間4時間の耐久レース。
私は今回11月12日(日)に受験しましたが、なんと!暖气のない部屋での受験でした。
全員コートを着たまま試験を受けました。
試験前から試験までの流れ
試験会場に着いたらまず、受験票とパスポートの確認をされました。その後、試験会場に入りパソコンのチェック、音量チェックと音声チェックをします
。ログインもチェックも全て終えると、試験開始まで待機です。
ではさっそく、今回のHSK7-9級の内容を見ていきましょう。
リスニング
試験はまずリスニングから始まります。リスニングの音源が流れるのは一回のみ。メモを取ることは一切できません。
大問1 正誤判断
初めの音源は男女が「完璧主義は行動の妨げになるか」という弁論でした。音源を聴いた後に質問が流れ、正誤を選びます。
その次は、依存症について説明している音源。
こちらも先ほどと同様、音源を聴いた後に質問が流れ、正誤判断します。正誤判断だけでなく、4つの選択肢から答えを選ぶ選択問題もあった気がします。
話の内容自体はそこまで難しくないですが、問題数が多い上に、質問が書かれていない、メモを取れない、流れが早いということもあり、少し焦りました。
試験が始まる一分前?ほどから最初のページが見えるので、最初の問題の選択肢は全て読むことができ、質問や話の内容を予想できました。その後は間隔が短く、選択肢を読んでる暇はあまりありませんでした。
大問2 選択問題+記述
大問2では、選択問題と記述問題があります。こちらも先ほどと同様、音源が流れ、全て聴いてから質問が流れて答えを選ぶ方式。もちろん今回もメモは取れません。
初めの問題は確か石油に関する音源でした。石油がいつから使われ始めた、どんな製品に活用されているかみたいなことを言っていました。
記述問題と聞くと、一見難しそうですが、穴埋め?のような感じです。一文が書いてあり、下線部の答えを打ち込むという感じです。
なので、音源の中に似たような文が出てこればそこが答えかな?と予想して打ち込みます。ただ、その答えでいいかどうかは質問を聴いてみてからでないとわからないので少し厄介です。
2問目は宇宙飛行士の訓練について。どんな訓練をしていて、それは何のためにしていて、どこに活きてくるか、中国の最年長の宇宙飛行士はどうたらこうたらと言ってました。(記憶力キャパオーバー)
とにかく、「情報量多い・何を問われるかわからない」のダブルパンチでボコボコにやられました。
私は普段から人の話をしっかり聞く練習をした方が良さそうですね。
一点、フレンドリーリマインダーですが、キーボードはデフォルトで英語入力になっています。
打ち込みが必要な問題でいきなり漢字が出てこずにパニックに陥るかも知れません。試験前の機械チェック時またはリスニング問題が始まったらすぐに漢字入力に変えておきましょう!
大問3 選択問題+記述
大問3も先ほどと同じ形式です。
確か、小説家が自分の売れる前から現在までのことを振り返ったり、自分執筆スタイルについて語っているインタビュー形式だったと記憶しています。
リーディング
大問1 選択問題
リーディングの大問1は文章を読んで、正解の選択肢を選ぶ問題です。文章は二つほどあった気がします。
問題数は28問もありました。(泣)
答えを文章の中から見つけることが出来るという点においてはリスニングよりありがたいですが、問題数と文章の量がかなり多いです。
1問目は確か、昔の人が湖に蓮の花の種?を撒いたが数年経っても花が咲かず諦めていたが、3、4年後に満開になり、人生もまるで蓮の花のように何が起こるかわからないみたいな話でした。
もう一つは元の冒険家、汪大渊の紹介と彼の著書《岛夷志略》、そして商船貿易が中央政府にもたらした利益についての文章でした。
最後は人工甘味料について。人工甘味料の歴史とこれから、人工甘味料の種類についての紹介でした。
大問2 整序問題
大問2は段落の順番を正しく並べる問題。段落が8〜9個くらいあり、一つは不必要な段階、二つの段落はすでに固定されていて、残りの段落を正しく順番に並べるという形式でした。
内容は電動自転車の充電場所がない、充電に時間がかかるというものでした。
私はここで何回も並べ直して時間を取られたので、もうすっ飛ばして大問3を先に解いてからまた戻ってきました。
何度も悩みに悩んで結局、時間オーバーになり、とりあえず埋めたけど、あまり自信はありません。
大問3 記述問題
大問3は、記述問題が14問ありました。文章は2つ?で、各質問に対して10文字以内にまとめて答えるという形式でした。
一つ目の文章は猜谜の歴史について。質問は「宋代(多分)の人はどのように自分の意見を主張していましたか?」など、文章の中から答えを見つけるだけなので比較的簡単でした。
もう一つ文章があったはずですが、どんな内容だったかすっかり忘れてしまいました。
もし内容を奇跡的に思い出したらブログを更新しようと思います。
記述問題は自分で答えを短くまとめないといけないので、少し時間もかかります。
実際に受験してみて気づいたことは、答えを見つけたとしても、その漢字の拼音がわからなければ答えられないという致命点があります。
猜谜のお話の中に东方朔は隠語がすごく得意だったと書かれていましたが、朔の読み方がわかりませんでした。(そもそも答えが合ってるかどうかは別問題)
ライティング
大問1 図表読み取り作文
ライティングの大問1では図表を読み取り、200文字の作文を書きます。
今回のお題は運動時間、運動回数と鬱病罹患リスクの関係でした。
図表の上に一応簡潔に表に関する説明があり、あとは自分で数値を読み取って作文を書きます。
この作文は割とスラスラと書けました。この数値を見ると運動時間、運動回数と鬱病リスクの間に関係があらことがわかるだとか適度に運動をして健康的で幸福な生活を送るのがよいみたいな適当なことを書きました。
パソコン受験のいいところは、残り時間が常に画面上に表示されていることと、字数を自動で数えてくれることだと思いました。非常に助かりました。
大問2 テーマ作文
第一回でも偉人の言葉が紹介され、それについての理解と持論を述べるような形だったと先人たちのブログで見ました。
今回は傅玄の”近朱者赤,近墨者黑”について自分の理解と見解を600字以上で述べよ。というものでした。
問題文にしっかりと意味は書いてくれていたので、600以上を時間内に書き上げることだけに集中すれば大丈夫です。
私はたまたま普段からこの考えに賛同していて、自分をどんな環境に置くかで自分の生活習慣や視野の広さ、考え方、得る知識量が変わると思っていたので、その事について事例も交えながら書きました。
今回はたまたま自分にとって書きやすいお題だったので、時間にも余裕があったのですが、模擬試験の時は全く例や主張したい意見がなく、困り果てている間に時間オーバーになりました。
日頃あまり文章を書く機会はないので、字数は満たせたものの、いい点数がもらえる気はしません。
これからは中高生の優秀作文を読んだり、作文の枠組みを勉強してから試験に挑みたいと思います。
翻訳&通訳
翻訳
まずは翻訳問題が二つありました。
一つ目は、「教育は権利であり、福祉でもあり、〜でもあり、〜であるから〜だ。つづく」という比較的短めの文章。段落一つ分くらいでした。
二つ目は博物館のデジタル化についての文章。まず、結構長めで驚きました。3~4段落あった気がします。
翻訳は内容自体はそこで難しかなかったと思います。私の翻訳能力が乏しいので、上手く翻訳できている自信はありません。
対策としては日頃から、人民网の日本語サイトの文章を中国語に訳す練習をするといいかと思います。
日本語→中国語への訳のみです。
こちらも2問目が文章量多めだったので、画面を行ったり来たりしてすごくめんどくさかったです。
通訳
通訳も問題が二つありました。
まずはパソコンで2〜3分間?文章を見てメモをする時間があります。その後、ピーッという音が聞こえたらマイクに吹き込みを始めます。
こちらも日本語→中国語の訳をします。
問題は1問目が法律事務所でのインターンシップの話、2問目は成都の紹介でした。
まぁこれもひどかったですね。(笑) 「とりあえず爪痕を残さねば!」という姿勢で最後まで訳しきりました。
スピーキング
大問1 应用读说
大問1は、大学の掲示板に貼ってある複数の講座の案内について内容を読んで、その後説明するというものでした。
回答時間は3分間、2点を盛り込まないといけません。
1点目は、友達はファイナンシャルと投資の講座について興味があります。講座の詳細について友達に紹介してください。2点目は、あなたはどの講座に一番興味ありますか?なぜですか?
話す前に読む時間、回答の準備時間として3分くらいありました。
この講座案内には10個くらい講座がありました。
紹介されてて友達に紹介しなければいけない講座の内容を読み取り、瞬時に自分の興味のある講座も選び理由も用意しないといけないので大変でした。
大問2 结合材料回答问题
大問2は音源を聴いて、その内容に関する質問に二つ答えら問題と自分の意見を述べる問題があります。
音源を聴いてる間にメモをすることは可能でしたが、そもそも質問がわからないので、何が大事かを見極めるのが難しいです。最初の二つは各問題30秒で答えます。答えに相応する部分を聞き流すと答えることができないので私は一問落としました。
3問目は、3分間で音源で述べられた内容に対する自分の意見を述べる問題です。
今回の音源の内容は確か都市化とゴミ問題についてだった気がします。
あまりよくわからなかったので、ゴミの分別とその重要さを伝えることが大事だと熱弁しました。
とりあえず爪痕を残すスタイルです。
最初の二問は一文で答えればいいので、きちんと答えの部分を聞き取れ、覚えていた方ならすんなりと答えられたと思います。
スピーキングの試験はなんだか、読んだものについて話したり、音源についての質問を答えたり自分の意見を述べたりと、すごく忙しいです。
すごく急かされているような気持ちになり、気づいたらあっという間に終わっていました。
大問3 观点表达
大問3では、また音源を聴き、その内容に関する自分の意見を述べます。音源を聴いた後に3分間の準備時間があり、3分間の回答時間があります。
今回は尊老爱幼に関する内容でした。何を言ってたかは全く覚えてません。
テーマだけは覚えていたので、3分間ひたすら「中国のこの考え方は素晴らしく、我々も見習うべきで、尊老爱幼の例は中国で生活しているとたくさん見受けられる。例えば〜」と言った感じで粘りました。
これはとりあえずいっぱい喋った方がいいのかどうか迷いました。私は残り15秒くらいで喋り終えてしまいました。
模擬試験の時はそもそも音源の内容があまりわからず、黙り込んでしまいました。
反省して本番の試験ではとりあえずできる限り話し続けました。
模擬試験から本番試験までの間一週間毎日適当にテーマを選んで即興で3分間話す練習をしたので、本番でもなんとか話し続けることができました。
もっと日頃から即興で意見を述べられるように練習する必要があるなと思いました。
全体的な感想
今回実際にHSK 7-9級を受けてみて、中国語力だけでなく体力、集中力、タイピングの速さ、記憶力、情報処理能力の高さも必要だと思いました。
これからは日頃から様々なジャンルの情報を中国語でインプットしていこうと思います。
今回HSK 7-9級を受験したことで自分の中国語力の足りなさを痛感したので、良い経験になりました。
まとめ
今回の記事では第二回HSK7-9級を実際に受験した感想と、試験の詳細についてご紹介しました。
現時点ではまだ過去問や問題集がなく、これからHSKを受験される皆さんは不安もあるかと思います。
この記事によって、出題レベルや出題傾向を掴むことができ、皆さんの試験対策の力になれば幸いです。
【追記】12月中旬に試験結果が返ってきました。結果はめでたく「合格!」レベルは8級でした!対策法や実際の成績証明書、試験を受けてみての反省点はこちらの記事から見ることができます。▼
コメント